子どもたちを引きつける色を求めて|木版画からの着想

先日、英語紙しばいの新作をモニターの皆さんに見ていただきました。
いただいたご感想の中で、特に多かったのがこの言葉——。

「色がとてもきれいで、優しいすね!」
「子どもが思わず見入っていました」
「鮮やかで目を引く!」

とても嬉しい言葉の数々に、思わずにっこりしてしまいました。

現在私はPhotoshopを使って、切り絵風の雰囲気を残しながら、デジタルで色を重ねています。
色の選び方には特に気を配っていて、子どもたちが“わくわく”するような画面を目指しています。
「青をベースに、でも暗くならないように」「マックスはいつもの黄色と茶色のトラ模様で」——そんな細かい工夫を、ひとつひとつ重ねて描いています。

実は、紙しばいの「色」には、私自身が美術館巡りを通して得た多くのヒントが詰まっています。
気になる作品を見かけるたびに写真を撮ったり、配色をじっくり観察したり……。

最近の注目は、大正時代の浮世絵師、川瀬巴水の木版画作品です。その作品が醸しだす
雪の静けさ、夕暮れのぬくもり、雨に濡れる町並み……
色彩の美しさに加え、“空気感”までも感じさせる巴水の絵に、いつも心を動かされます。

Photoshopをご指導いただいている、紙芝居作家の多屋光孫さんの制作過程を見せていただいた時には「これは正に浮世絵版画の制作過程!」と口にしてしまいました。

日本の伝統とデジタルが見事に融合してる、と私は勝手に解釈しています。

これからも、美術と紙しばいの架け橋を大切にしていきたいと思います。
感想をくださった皆さん、本当にありがとうございました!作品たちから得たインスピレーションを、紙しばいというかたちで表現できたら。


「色で語ること」が少しでもできたなら、それは子どもたちの心にも届くと信じています。

坂井邦晃

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