
学生たちと、造形表現の授業を行いました。
今回使った材料は、絵の具でも粘土でもなく、身近な花や葉っぱ、枝などの自然物です。
白い紙の上に、それらを置いていく。
並べてみる。
組み合わせてみる。
少し角度を変えてみる。



すると、ただの葉っぱが顔の一部に見えたり、花が目や鼻に見えたり、枝が体の動きに見えたりします。
学生たちは、自然物の形や色をじっと見つめながら、思い思いの作品をつくっていきました。
この活動で大切にしたかったのは、上手に作品をつくることだけではありません。
目の前にあるものをよく見ること。
「これは何に見えるかな」と想像すること。
そして、自分なりに感じたことを形にしてみること。
授業後、ある学生がこんな感想を書いてくれました。
「普段通っている道端に、こんなにいろいろな葉や花があるなんて、初めて気付いた。」
この言葉を読んで、とてもうれしくなりました。
まさに、感性が開いた瞬間だったのだと思います。
「感じる心」が、身近な自然に向かって開かれたのです。

私たちは毎日、同じ道を通っています。
けれど、そこに咲いている花や、足元の小さな葉っぱに、どれだけ気づいているでしょうか。
花びらのやわらかさ。
葉っぱの形のおもしろさ。
枝の曲がり方。
草のにおい。
そうしたものに出会ったとき、私たちの中の「感じる心」が動き出します。
これは、AIやデジタルを通して得るものではありません。
自分自身の目で見て、手で触れ、心で感じる、人間としての体験です。
今回の授業は、自然物を使った造形活動でした。
でも、それは単なる制作活動ではなく、学生たちが身近な世界をもう一度見つめ直す時間でもありました。
感性は、特別な場所に行かなくても育つのだと思います。
いつもの道端に咲く花。
足元の小さな葉っぱ。
風に揺れる枝。
そうした身近な自然に目を向けることから、表現は始まります。
学生たちの作品を見ながら、私自身も改めて感じました。
造形表現とは、ものをつくることを通して、世界の見え方を少し変えていく学びなのだと。

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